unmeasured

unmeasured 名前をつけるなら

彼女を救出したのは、科学王国がイバラに勝利した二日後のことだった。一時的に船を占拠された経緯より、ペルセウス号の中を捜索したところ、予備の資材置き場に憔悴しきったを見つけたのだ。島内の牢に入れられているのでは、と予想していたが、イバラは島民…

unmeasured 彼女の矜持

「それで、君らは俺のために妖術で働くわけだけどさ」実はもう一つあるんだよね。仕組まれたディールの席に着いていたモズが、最後の最後、去り際に切り出した条件。続いた台詞にあのゲンでさえ一瞬黙り込んだ。ピリついた空間を問答無用で切り裂き、千空が交…

unmeasured 彼が恋愛できない理由

世はまさに大恋愛時代!今や遠い過去となった『現代』で、耳に馴染んだフレーズが脳裏にもじられる。私は、そっと茂みに身を潜めた。夕方とはいえ、葉が重なる森の中は薄暗い。とはいえ、僅かに差し込むオレンジが、間接照明のような役割を果たし、不気味とい…

unmeasured 推し量る距離

人手が足りない。クロム君が見つけた採鉱場所から、船乗り場までの経路を思い浮かべ、私は頭を抱えた。悩みの種はおよそ十日前へ遡る。千空君が洞窟内にトロッコを整備すると切り出した時だ。クロム君の発見にただ感嘆していた私は、その宣言を一呼吸おいて理…

unmeasured 背に熱

もがく華奢な肢体を右手で抱え込む。目まぐるしい水流で、白く泡だつ周囲。得られる情報量の少なさに歯噛みし、呼吸を求めて水面を目指す。しかし、激しい雷雨でこれではどちらが水中か分からない。何とか外気へ顔を出し、ぶつかる雫や鳴り響く雷の音を聞く。…